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2025/05/13 19:31

銀座店、吉祥寺店にて、たいへんご好評いただいております。
たくさんご来店いただき誠にありがとうございます。
あらたに入荷したもの、あらたな展示(POPやオブジェ?!)など、新しい発見をしていただけます。引き続き皆様のご来店をお待ちしております。
本日はすでに店頭でご覧いただいている方もいらっしゃると思いますが、モネカモネについて。
フランスはモネのアトリエがある「ジヴェルニーの庭」への来園、そこから生まれたモネカモネとともに紹介いたします。


光と色彩の移ろいを巧みに描き、世界的に知られるフランス印象派の巨匠、クロード・モネ。
彼が終の住処として43年を過ごしたジヴェルニーでは、自ら庭を設計し、池を造り、睡蓮を植えました。そこは、代表作である「睡蓮」シリーズをはじめ、多くの名作の舞台となり、モネの芸術と人生が深く結びついた場所です。
モネは日本の睡蓮を植え、太鼓橋を架けることで、
日本(東洋)の美意識を西洋絵画の中に取り入れ、融合させました。
光と水、
季節や時間のうつろいを
30年以上にわたり描き続け
今もなお、その「静かな感動」を残す地として愛されています。
ジヴェルニーの庭は、その象徴と言える存在なのです。

さて、弊社代表がジヴェルニーを訪れた際に感じたこと——
その思いを以下に綴っています。
その言葉の中に、モネに対する深い思いや「モネカモネ」がどのようにして生まれたか?を感じていただけたらと思います。

——私は2年前に訪れ、ただの観光地ではない、芸術の源泉とも言える美しき景観に立ち会いました。そしてその時に浴びた光、風、そして湿った土の匂いが、私の中に深く沈殿し、やがてレザーという素材を通じて「かたち」になったのです。
ジヴェルニーを訪れたのは、初夏の穏やかな午後でした。太陽は高く昇っているのに、どこか薄くフィルターがかかったようなやさしい光が庭全体を包み込んでいました。白い睡蓮が水面に咲き誇り、柳の枝が風に揺れる様子はまるで時間の流れが止まっているかのよう。遠くから聞こえる子どもたちの笑い声でさえ、絵画の一部のように風景に溶け込んでいました。
ふと足を止め、池のほとりに座ると、目の前に広がる景色がまるでキャンバスの上に流れ込んでくるように感じられました。その時私は、「この光景をレザーに封じ込めることはできないだろうか」と直感的に思ったのです。


帰国してからというもの、モネの庭で見た光と色を革の上で再現したいという想いが心に根を張りました。しかし、革という素材は油彩のように重ね塗りがきくわけでもなく、水彩のような透明感があるわけでもありません。むしろ、繊維が詰まり、生きた証を刻んだ素材です。
そこで私はまず、絵画ではなく「感触」や「空気感」から再現することを試みました。たとえば、モネの池の水面のきらめき。わずかにムラを残すことで水面に揺れる光を表現したり、柳の枝の揺らぎをグレージュに近い染料をスポンジで柔らかくたたくように色を乗せて、筆触ではなく「陰影」で表現するなど。
さらには、睡蓮の静かな存在感を革の中にどう残すかを考え抜き、極限まで磨いた床面に、パール顔料をうっすらと重ねることに辿り着きました。光の角度で表情が変わるその革は、誰かが手に取った瞬間にしか本当の姿を見せない、まさにジヴェルニーの光そのものでした。


パール顔料が乗りすぎてしまうと途端に安っぽく見えて、水面の「揺らぎ」が消える。
それとともに色も難題でした。ジヴェルニーの庭で見た緑は単なる「緑」ではなく、朝露を含んだ新緑から、午後の影を背負った濃緑まで、無限に変化する「時の層」でした。それを再現するには、緑一色で染めるのではなく、3~4色の緑を層のように重ねる必要がありました。モネが無数のタッチで光を表現していたかのように。
最終的に完成したレザーは、絵画のような華やかさではなく、むしろ「静けさ」を内包したものでした。一見するとニュートラルで、何の変哲もないように見える。でも手に取ると、なぜか目を閉じたくなるような、そんな感覚を覚える。まさにジヴェルニーの庭で私が感じた「静かな感動」と同じものがそこには宿っていました。


レザーという素材は、何年も使い込まれて初めて完成する“育つ”素材です。
そして、あの日のジヴェルニーも、モネが四季の移ろいを何年も描き続けてようやくたどり着いた場所でした。その意味でも、この革はまだ「完成」していません。むしろ、使い手の手の中で、あの庭の記憶をもう一度咲かせてくれるのではないか!? そんな希望を込めています。


モネは晩年、美しい庭を望むアトリエで絵を描いていました。
ここは、ただの「家」ではない。画家の息づかいが今なお草花の香りに溶け込む、色彩の実験室であり、詩情の宿る舞台だ。
モネは、毎朝同じ時間に庭に立ち、光を観察した。陽の角度、風の強さ、水面の反射——それらは日ごとに、時に一刻ごとに表情を変えた。彼の視線は、睡蓮や柳の木々に注がれながらも、実のところ「光そのもの」を描こうとしていたのではないか?
「睡蓮」シリーズに見られる柔らかな色の重なりは、アトリエでの綿密な再構成のたまものだった。屋外でスケッチを重ねたあと、モネは室内の静寂の中で、絵具を重ね、何枚ものキャンバスを並列に置き、同時に仕上げていったという。アトリエはまるで瞑想の場のようだった。彼にとって絵筆は、自然の移ろいを記憶する道具であり、絵画はその記録帳のような存在だったのかもしれない。
時間に抗わず、むしろその変化を愛でるように——ジヴェルニーでのモネの制作は、静かな闘いでもあった。老いと視力の衰えに悩まされながらも、彼はなおも色彩を追い続けた。目に映る光を、心でなぞるように。
1867年のパリ万国博覧会(Exposition Universelle)で、初めて本格的に日本の美術工芸品が西洋に紹介されました。浮世絵・陶器・着物・漆器などが西洋の芸術家に強烈なインパクトを与えたそうです。この文化的衝撃は「ジャポニスム(Japonisme)」と呼ばれ、印象派やアール・ヌーヴォーに多大な影響を与えました。モネはこの時期から浮世絵を収集するようになり、この自宅兼アトリエには所狭しと100点以上の浮世絵コレクションを壁に展示して愛でていた空間が今も健在でした。


芸術家が風景をキャンバスに封じ込めたように、私はレザーという素材に想いを封じ込めました。ジヴェルニーの庭はもう過去の記憶ですが、その光、その風、その色合いは、今も私の手の中に息づいています。
そしてもし、あなたがこの所作に触れたとき、ふと心が静まるような瞬間があるなら。
それこそが、私が伝えたかった“モネの庭の記憶”そのものであり、
「Monet Camoné」あなたにとってのジヴェルニーの光かもしれません。
|「私は自然を描いているのではない。光の移ろいを描いている。」 -- クロード・モネ
ロングウォレット ¥28,000
ショートウォレット2.0 ¥22,000
コインケース ¥13,000
カードケース ¥11,000
こちらも同じく、モネカラーより
cp2.5 ¥22,000
cp3.5 ¥23,000
オンラインショップへ掲載しております
EXP0会場

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最後の最後に、所作EXP0からのオンラインイベントのお知らせです。
銀座店、吉祥寺店にて好評いただいております
「TARO」について

毎週金曜日にオンラインショップへ数点を掲載いたします。
華金ならぬ金曜日のTAROをお楽しみにください。
5/16 金 19:00~
以降は
5/23
5/30
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6/13まで行う予定です。
※19:00~を予定しておりますが時間は変更する場合がございます
柄自体の見え方はひとつひとつ異なり、すべて一点ものです。
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仕事はじめ?の翌週月曜日に向けて、TAROからエネルギーをもらう。
持ち物から、気分も新たに。
※土曜日15:00までにいただいたご注文は、日曜日までにお届けいたします。
(北海道や沖縄、北日本、離島など一部地域をのぞく)

※画像は掲載予定のものです
長文をお読みいただき、ありがとうございます。
次回のブログ更新は、6月13日を予定しています。
(もしかすると「大阪・関西万博」の体験を紹介できるかも)
モネカモネ
ペールトーンcp
TARO
などなど
所作EXP0や所作をつうじて、皆様の生活のお役に立てますように。
これからもさまざまな出会いや思いを届けていけたらと思います。
それでは、また
nakabayashi
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nakabayashi
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