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2025/10/13 20:25

本日は、所作EXP0フィナーレのブログ(前編)です。
まずはみなさま、
4月13日から半年もの期間、所作EXP0にお付き合いいただき、誠にありがとうございました。
ブログ「前編」ということで、挨拶は手短にして本題へ。
トップ画像の「キノコ」。
所作EXP0の開催当初より、その名前は目にして楽しみにされていた方もいらっしゃるであろう、と思います。
インドネシアより素材が届かず、
弊社でのモニター期間、仕上げ期間などなどを経て、なんとか最後に間に合いました。
販売店舗は銀座店です。
所作EXP0のフィナーレであること、
本数が限られること、
従来のレザーではない新たな可能性に満ちたキノコレザー、
などなど
皆様とお楽しみいただけるように、なんと「言い値」で販売いたします。




キノコレザー トリュフcp
白トリュフ / 茶トリュフ / 黒トリュフ
銀座店で10月17日の営業開始時間より、「お客様の言い値(2025円〜)」で販売いたします。
(cp2.5とcp3.5をご用意しています)
ぜひ実際に手にとって
トリュフcpに値段をおつけくださいませ。
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さて、
キノコレザー、マッシュルームレザー。
新しい素材とはいえ、実際に耳にしたことがある方や使ったことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
はじめての方は、おそらくイメージが湧きづらいと思います。
ごく簡単に説明すると、
キノコの菌糸体を培養して、広げて、レザー(シート状)にしています。
菌糸体とは、僕たちが普段は目にするものではない
おおよそ地中に埋まっている白い根っこのことです。
その根っこが、実はキノコの本体(菌です)なのですが、糸状に伸びていることから菌糸体と呼ばれます。
さて、
今回のトリュフcpに採用している
「キノコレザー」は、世界3大キノコタンナーのひとつと称される企業でつくられています。
研究施設のため培養現場への立ち入りはできませんが
「どういうところでつくられているのか」という生産の背景を感じていただけますと幸いです。


Mycotech Lab(以下、MYCL)
インドネシアに拠点を置く、素材バイオベンチャー企業です。
この国では農業が盛んな一方、農業由来の廃棄物の処理が追いつかず、埋立地に流れてしまうケースが多くあります。
MYCLでは、そうした社会課題の解決を目指して、若い世代、これからの未来を担う人材が多く、日々挑戦をしています。
一般的なレザーは、
食肉産業の副産物として得られる動物の皮を原料としますが、
MYCLのレザーは、
キノコの菌糸体を培養してつくられます。先述ですが、培養して菌糸を広げてシート状にする。それから従来のレザーのなめしのような工程に入ります。また、染色工程には根や葉、廃棄された食品から抽出した天然染料を使用しています。また、さまざまなキノコから試行錯誤を繰り返した結果、結合力のあるキノコの菌糸体を採用しています。
このようなキノコレザーは、近年、ヴィーガンレザーとして注目される理由の一つに土に埋められても分解されやすく、環境負荷が小さい点が挙げられています。

Mycotech Lab HP : https://mycl.bio/
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従来の革製品は動物が生きた証である小傷や皺などの「個体差」があります。それよリも、かなりはっきりとした個体差があります。有機的な(自然な)模様や色があり、逆に特徴があまりないものもあります。
そして
凹凸がなく、つるっとしています。
革としての完成度が高く、触れたとしても革にしか感じないと思います。
なんの革ですか?
と聞かれて、「キノコです」と答えると、きっと驚かれることでしょう。
そして香り。
キノコを感じる香りがします。
と言いつつも
実は、ぼくたちが知っている革の匂いも、動物の匂いではなく
ほとんどが皮から革へなめす植物成分の匂いであり、加工にもよりますが「薬品の匂い=革の匂い」と認識している場合も多くあります。
キノコの香りといえば、キノコの香り。
エピソードとしては、熱を加える刻印を施す際にキノコの香りがほんのりとします。
化学の匂いではなく
そして革の匂いでもなく
自然の香りがほんのり残っている。そういう感想です。
・・・トリュフcpは、モニター期間中に銀座店のスタッフが実際に使用しています。おそらく嗅がれたことがある方もいらっしゃる思いますが、その際の香りはかなり生感がきつかったと思います。ですが、おかげさまでそういうお声をいただき、かなり抑えることができました。ソフトなキノコを感じる香りです。

ヴィーガンレザーという言葉を聞くと、「環境にやさしい素材」という印象を持たれる方も多いでしょう。
けれども革もまた
はるか昔から人の暮らしとともにあり、食とともに生まれた副産物である皮を大切に使うことで、衣類や道具として活かしてきました。
革は単なる素材ではなく、暮らしに寄り添い続けてきた文化のひとつです。
だからこそ現代においても、
革という素材をあらためて見直し、その価値を再認識しつつ
同時に、新しい選択肢としてのヴィーガンレザーの登場も、私たちに未来の可能性を広げてくれるものだと思います。
キノコレザーは、従来のレザーと比べると、耐久面など、長く安心して使えるようになるのはまだ先のことかもしれません。「動物の皮を素材として使う」こと自体が約10万年前?から始まっていることに比べて、まだまだ歴史というより始まったばかりのことだからです。
と言いつつ
京都店に展示しているキノコのイスからキノコが生えてきたことには驚きでした。
(さすがに同じ革素材とはいえ、仕上げも異なりますので商品からは生えてくることはないと思います)
最後に、ケア方法については
やはり従来の革とは異なりますので、お手入れ(ケア)=保湿としてクリームなどを塗布するよりも、防水スプレーのみがおすすめです。油分を足すということはおそらくカビの要因になると思います。

銀座店で10月17日より
「お客様の言い値(感じた値段)」で販売いたします。
ちょうどキノコが恋しくなる季節。
MYCL社製のキノコイスに座りながら、ぜひ手にとってご覧くださいませ。
※キノコイスは京都店にもございます
・キノコ大好き
・言い値2025円からって本当?
・珍しいものが好き
・とりあえず見てみたい
・世界の先端技術に触れたい
・前から楽しみにしていた
そんな方々をお待ちしております。
たくさんの方々に「トリュフcp」をみていただきたいのですが、数に限りがございます。早目にお越しいただくと、様々なものから選ぶことができます。
また、遠方の方々にはたいへん申し訳ございません。メール通販やオンラインでの販売はいたしませんこと、ご了承くださいませ。
そしてそして
この「言い値👍トリュフ2025 in 所作EXP0」の盛り上がり次第?によっては、フィナーレブログ後編にも繋がります。ぜひ手にとって、トリュフcp、キノコへの想い?所作EXP0への感想やご要望をお待ちしております。みなさまと後編をつくらせてください(詳しくは銀座店スタッフまで)。
合言葉は
「キノコありますか?」
スタッフにお声がけいいただくと、トリュフcpをお見せします。
所作EXP0のフィナーレを飾る限定商品として、店頭には並べておりません。ブログをお読みいただいた方やSNSのお知らせを見ていただいた方のために用意しております。
銀座店での「キノコ狩り」をお楽しみくださいませ。
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では、また後編で。
nakabayashi