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2021/03/12 00:00






明治35年(1902年)創業 裁断機・打抜刃型総合メーカー”株式会社イイノ”


刃物のまち、大阪堺で”鎌”をつくる事業からはじめ、今や”抜型、裁断機”日本一のシェアを誇る企業であり、

所作を制作する上で欠かせない抜型を依頼しています。


5代目である現専務、飯野晃一さんに工場の見学と取材をさせていただきました。








                           





*日本一、世界一?!の技術を持つイイノさんに制作いただいた所作cpの型




抜型とは、それ自体ではただの金属(鋼)であり


裁断機と革の間に設置して、パーツをカットするためのもの。









1本の鋼をカットして、形にする。


角度をつけ、折り曲げ、溶接をして繋ぐ。調整と検品を数度繰り返して水平な外枠を作る。



製品により、依頼により、製作する型は異なります。


例えば、革靴のつま先のパーツやかかとのパーツといった具合に。


ほとんどの製品が1パーツとは限らず、全てが直線ではなく多種多様なカーブもあります。



抜型の内側には穴を開けるポンチがたくさん付いていますが、

縫うため、繋げるため、穴をあけるなど用途に応じて、型の内側にはポンチ穴をつけるのです。


※少し説明するに難しい話ですが、大きな手間を省くために一度にプレスして抜くのが目的なのです。



また、プレスの際に荷重があるので

壊れることなく、繰り返して長く使うのに耐え得る工学上の計算も必要になります。



紙のパターンと型を照らし合わせながらの作業で

中の部品をつける位置も機械ではなく、人の手で付けられているのにはとても驚きました。


0.1mmのズレでも製品の仕上がりに響く世界。精巧で熟練の職人技術がなせること。












シンプルに依頼されたパターンと同じ形の抜型を造る。


再現性と使いやすく壊れずに長く使える、ものづくりの姿勢



取材時には、依頼されたパターンの型の再現と、随所にプラスアルファを求める取り組みが見られた。

普通では気づかない、依頼した方も気づかない工夫を、当たり前のように行う。



日々のアップデートの積み重ね

老舗(創業100年以上)である由縁なのかもしれません。



簡単に想像できる、文章で書けることではありませんが、、、

老舗企業の技術としてご紹介できることとして


”携帯電話の折り曲げ部分には創業300年の京都の金属箔屋さん、マナーモードは日本橋の元両替商の、

心臓部の人工水晶は明治創業の企業の技術が関わっています”


伝統は革新の連続               

※千年、働いてきました 老舗企業大国ニッポンより抜粋



一本の鋼から造られる抜型、一枚革で仕立てる所作

そういうシンパシーを感じつつも

日々の工夫やアップデートを積み重ねる、そういった姿勢にも感銘を受けます。




余談ですが

イイノさんに依頼した所作cpの抜型作製は、“難易度最上級で職人魂に火を灯す抜型”とのことで


不思議と嬉しくなりました。












不思議なこと。

このような抜型はどこで依頼するんだろう?


もし必要とするのであれば

ぼくはまずネットで調べる世代です。


そう疑問を投げると

飯野さんへのほとんどの依頼が口コミや紹介による、とのこと。

そう言えばずいぶん受け身な言い方に聞こえるかもしれませんが、

口コミをつくるのはイイノさんの仕事によるもので、信頼の証でもあります。


弊社もイイノさんを紹介していただきました。




▷窓口の広さ


”できることはやろう”の精神と関連企業への営業努力により、様々な依頼がくるそうです。

中でも興味深かったのは、伊勢神宮にお供え物をする為の抜型の依頼を受けたそうな。








なんでもやる、ではなくて

できることはやろう。


八方美人ではなく、目の前のひとに自然体で向き合っているような印象を受ける。なのでできなかったらごめんなさいっておっしゃていました。



ネット社会では、20代前半の方は”ググらない”ことに衝撃を受けるが(もはや古い情報かもしれません)


じゃあ他には?と言えば、ググるよりアプリで情報を得ています。良し悪しではなく、そういう時代なんだと認識くださいね。

アプリ→インスタグラムやツイッターなど



アプリでは企業、商品情報だけではなく、第三者が実際に使った感想を見ることができる。

食べるお店もまずインスタで検索したり、アマゾンで買い物する時にはレビューを参考にするように。



リアルな社会と置き換えて

社会のレビューとして、それをまのあたりにしている気になった。


創業118年。想像し難い歴史を歩み

積み重なった経験と培った技術と信頼。


それに加えて現代、今をどう生きるか?の姿勢が垣間見えました。




つくられたものではなく、選ばれるメーカー




                              

*昭和50年につくられた裁断機のメンテナンス







動物、食肉の副産物である皮から革をつくるタンナーさん、

 

その革を用途により薄く整える革漉き(すき)屋さん、


革や他素材に二次加工を施す、和紙シリーズでおなじみの和紙加工工場さん


京都で95年続く技術を活かし、革の上で着物染色をする呉服屋さん


一般の方では、見ること触れることがなかなかできない企業。

そしてその価値は、僕らの日常にすでに存在しているので、想像するきっかけも少ない。


ただ、仕事の風景や様子は

商品を手にした、目にした、食した瞬間になんとなくでも感じることはできる。



仕事終わりに飲むお酒にしても、コンビニでついつい買ってしまうお菓子にしても、

普段着ている服だって、気に入らなくなった服だって、様々な企業のいろんな方々によって支えられている。


それを僕らが手にして、口にしている、身に纏っている。



僕は所作を通じて


所作を支える人たちにとって


社会科見学のように、体験のように知ってもらいたいと思う。



そして



いつの間にか、

お寺や神社への見方が変わるように

海外へ興味を持つように

産地を巡るように


といっては、言い過ぎかもしれませんが

そうなるきっかけのようなものになると嬉しいです。




nakabayashi





▷最後に



動画のcpに「!!」とした方、ありがとうございます。

現在開発進行中です。乞うご期待を。








飯野さん、貴重な見学の機会いただき

そしていつもありがとうございます。

とても綺麗な現場。職人さんの足場や整頓具合に驚かされました。



株式会社イイノ 

http://iino-press.com/

〒590-0018 大阪府堺市堺区今池町2丁10番26号



所作 Shosa
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